《MUMEI》

アラタの白い包帯が降りてゆく。

篝の腕も白い包帯が覆われている。





アラタは今どんな顔をしているんだろうか。

すぐにでも会いたいのに

アラタの包帯と繋がってしまえばいいのにと
篝は間接が軋んだ腕を上げ、アラタの包帯を掴んだ。

「昇ってきそう。
そういう童話があった。
髪だったかな。」
アラタは呟いた。



「長い髪を垂らしておくれって?

篝が王子!あははは!」
鬼火が篝の横から包帯を引っぱがす。




「悪い魔法使いが長い髪を切ってしまい、

魔法使いが垂らした髪をいつものようにつたう王子は真っ逆さま。




落ちた衝撃で両目が飛び出してしまいました。」
そう言いながらアラタの包帯に鬼火は口付けした。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫