《MUMEI》 アラタの白い包帯が降りてゆく。 篝の腕も白い包帯が覆われている。 アラタは今どんな顔をしているんだろうか。 すぐにでも会いたいのに アラタの包帯と繋がってしまえばいいのにと 篝は間接が軋んだ腕を上げ、アラタの包帯を掴んだ。 「昇ってきそう。 そういう童話があった。 髪だったかな。」 アラタは呟いた。 「長い髪を垂らしておくれって? 篝が王子!あははは!」 鬼火が篝の横から包帯を引っぱがす。 「悪い魔法使いが長い髪を切ってしまい、 魔法使いが垂らした髪をいつものようにつたう王子は真っ逆さま。 落ちた衝撃で両目が飛び出してしまいました。」 そう言いながらアラタの包帯に鬼火は口付けした。 前へ |次へ |
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