《MUMEI》 バンッ… 「やっと着いた。以外と遠かったなぁ」 車を閉めてアパートの前に立つ。 「「ボロ――。」」 次に母さんと姉ちゃんが車から降りた。つかアパート見て第一声がボロ―って…管理人さんいたらどうすんのアンタら… 「あら?蓮、お父さんは?見当たらないけれど…」 「あぁ、父さんなら今、管理人さんの所に行ってるよ」 「あら、そうなの」 何だかんだ言っても姉ちゃんなりに父さんの事気にしてるんだな。 「…そのまま車にはねられないかしら…」 「姉ちゃ――――ん!!?」 「あ。そっか、あれは、はねられたくらいじゃあ死なないものね」 「いや、そうじゃなくて…」 前言撤回ッ!!! 姉ちゃんは、女の皮被った悪魔だ!つか、サタンでもいい!! おしとやかな微笑みのどこに黒焦げな心を隠し持ってるんだよ! とか、また一人悶々と考えてると、父さんが帰ってきた。 「いゃ〜、待たせたな。この人が管理人の高藤さんだ!挨拶しろお前ら!」 「「…………。」」 高藤さんを見て蓮と小百合は唖然。 「…? ほら、何やってんだ。恥ずかしいのか2人共」 えええええええ!!? いやいやいやいやいや ムリだから!! 何?ここの管理人さん ヤクザじゃん!!? ものっそ、ヤクザ面じゃん!!!? サングラスした管理人なんて、初めて見るよ!! 「はい!じゃあまずは…蓮から挨拶だ!」 マジかよ… 一歩一歩管理人に近づいていく。 「あ、あの、山本蓮です。なにとぞ宜しくお願いいたしますでごさいます」 「あぁ、宜しくな坊主ぅ」 うぉう!声渋すぎだよっ! ヤクザの組頭的な声だよ あんまり顔を見ないまま 挨拶をし終わった蓮。 「はい!じゃあ小百合!」 「蓮の姉の山本小百合です。ご迷惑をお掛けするかもしれませんが、宜しくお願いします」 と、何時もどうりの笑顔 怖くないのか心配だなぁ あんな恐ろしい姉ちゃんだけど以外とビビってたりして… 「おぅ。こ〜りゃまた別嬪な姉ちゃんだなぁ…と、言っても胸は、小学生かぁ〜」 「てめぇ後で裏にこいや」 ハハッ…姉ちゃん 男より男前だね 「よし、そんじゃあお前らは先にアパートに行っといてくれ!パパとママは荷物を家から持って来るから」 そう言って僕に少し錆びた鍵を投げた。 「2人だけで大丈夫!?」 「パパの弟2人が手伝ってくれるから大丈夫大丈夫」 ガハハと笑う父さん 「そう。わかったわ」 それを聞いた姉ちゃんは、僕より先にアパートに入っていく。それにつられ僕も少し小走りでアパートに入っていった。 今日からここが僕達 家族の大切な家になる …アパートだけどね 前へ |次へ |
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