《MUMEI》











『大抵の強豪校ってのはさ、


シュートを入れることが、


試合に勝つことが当たり前だと思ってる部分があるんだよね。』


『まぁ…


そうかもな。


実際俺もそうだし。』


『僕たちの場合はそこにたどり着くまでに色んなことを経験してきたからね。』


『?』


『僕たちが考える強さと、


秀皇が考える強さは違うよ。


たぶんね。』


『よくわかんね〜けど。』


『とにかく秀皇はボールに対する執着心がない。


ボールが生きてる場面でも戻りが先行されてる。


そんな守りの姿勢も大切なのかもしれないけど、


シュートチャンスが多い方が有利に決まってるじゃん。』


『確かに…』


『どん底からはい上がって来たあいつらだからこそある強さもある。


勝ちから学ぶことなんて数えるほどしかないけど、


負けから学ぶことは数えきれないほどある。


と、


僕は思うわけ。』


『はぁはぁ。』


『たくさんの負けを経験してきたあいつらだからこそ、


1球の重みがわかるはず。


何度もシュートを外してきたあいつらだからこそ、


1球を無駄にしない。』


『…それで、
ルーズボールか。』


『うん。


あいつらならきっと、


必死でボールを取りに行く。


かっこいい勝ちじゃないかもしれないけど、


かっこつけて負けるよりはずっとかっこいいでしょ?』


『…そうだな。』

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫