《MUMEI》

「こんにちは、那加ちゃん」

「‥‥‥‥‥‥‥」





那加は、

俯いたままだ。





「今日はご飯食べれた?」

「‥ちょっとだけ」

「良かった──。食べられるようになったんだ」

「いつも‥じゃない、けど」

「一口でも、食べよう≠チて思えるようになったんだから凄いじゃない」

「‥凄い‥?」





ほんの少し、

那加の目が輝いた。





「日向の、お陰」

「そう、日向君の──。でもほら、那加ちゃんも頑張ってるじゃない」

「───────」





那加は、

また恥ずかしそうに俯いた。





その仕草に、

俺はドキッとした。

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