《MUMEI》 カウンセリングは、 無事に終わった。 けど那加は、 まだ俯いている。 「那加、もう終わったから大丈夫だぞ‥?」 「大丈夫じゃないもん」 その声の調子から、 まだ顔が赤いままなんだと分かった。 「売店、寄ってこうな」 「ぇ?」 「プリン買ってやるからさ」 「──うん‥」 ──エレベーターで1階へ。 売店までは、 自販機の側を通り過ぎてすぐだ。 「で──どれにする?」 「───────」 那加は、 一つ一つ見比べながら、 どれにしようか悩んでいる。 「ねぇ、これとこれ、どっちが美味しいと思う?」 前へ |次へ |
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