《MUMEI》

「何で見てるのよ」

「ぃ、ぃゃ別に‥」

「見てたじゃない」

「目の前にお前の顔があったから‥、ってちょっと待て‥!!」

「ふぅん、それが人にものを頼む態度?」

「ぉ‥お待ち下さい姫サマ‥、ぉわッ!?」





敬語も、

無駄だったらしい‥。





「〜〜〜〜〜〜‥」

「早く食べてよ、ほら」

「ぇ、ハイ‥」





掻き込むようにして、

プリンを頬張る。





それを少しの間見つめていた那加も、

自分の分を食べ始めた。





暫く、

お互いに無言でプリンを食べていた訳だけど‥。





ふと、

俺は思い出した。





昔、

同じような事があったな‥

って──。

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