《MUMEI》 小学校に上がる、 少し前の頃だった。 あの日も、 俺は2種類のプリンを買って、 どっちか美味しい方を、 那加にあげるつもりでいた。 『どっちがおいしい?』 『うーん‥こっちかなぁ』 那加がそう答えたから、 俺は、 美味しいと答えなかった方のプリンを取った。 ──そしたら。 『まって』 『?』 『ひなたはこっち』 那加は、 素早くプリンをすり替えた。 それから、 黙々と自分の分を頬張り出した。 「──ひなたっ、ひーなーたっ」 「!?」 前へ |次へ |
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