《MUMEI》
永遠
「っ!?ディビット!?」

ビクターが、驚いて声をあげる。
それでも、離したくなかった。


「・・・ビクター。」
「な、どうしたんだって」

姉さんが、笑いながら入って来ることはない。
それでも。


「!ディビット、泣いてるのか?」
「・・・ビクター、聞いて。」



伝えたいことがあるから。





僕の小さな声は、ビクターにとどいたらしい。
彼は、一瞬振るえたあと、ゆっくりと抱きしめてくれた。
暖かい。
一番欲しかったもの。


「愛してるよ。」






赤い薔薇が、そっと揺れた。

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