《MUMEI》 「シロってさ、ほんとに甘党だよね」 「甘党?」 「チョコシロ好きだし、アイスとか、こういうケーキとか──」 「ん‥、まぁなぁ」 「そういうとこ、可愛いよね」 「ぇ」 フォークを持ったまま、 先生の動きが止まった。 何か、 時間が止まったみたいに。 ‥そのまま、 沈黙。 「‥シロ‥?」 「‥ぁ、ぁぁ」 「照れてた?」 「ぃゃ、何ていうか‥、幼稚園以来だなぁって」 「ぇ?」 「可愛いなんてさ、男はあんまり言われないから」 「ぁ──」 そうだよね、 確かに‥。 前へ |次へ |
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