《MUMEI》
変われる瞬間(とき)その2
龍之介が勤めているアルバイト先は、
都内では結構評判の喫茶店である。
このお店が出すアップルティとアップルパイのコンボが、
老若男女問わずに大人気なのが秘訣だ。
龍之介は急ぎウェイターの格好に着替え、フロアへと姿を現す。
店内は店長の言うとおり混雑しており、このお店が何より人気であると言う
確かな証拠として形に表れていた。
龍之介がフロアへ出てきて直ぐに、彼はお客に呼び止められ、
早速オーダーを受ける辺り、相当繁盛しているようだ。
「お待たせ致しました。ご注文を承ります」
接客スタイルで龍之介は中腰になり、お客の目線に合わせて注文を受ける。
「んじゃー、俺は腹減ってるからナポリタン。食後にコーヒーお願い」
「んー、それじゃぁ、私はこのオススメを頼もうかな」
男女のカップルだろうか、メニューに書かれる毎度のオススメコーナーを指差し、
その女性は龍之介を見て答えた。
「かしこまりました。ナポリタンが一つに、オススメメニューAセットが一つ、食後にコーヒーですね」
龍之介はメニューに写る写真を手で紹介しながら、女性のほうを見やり質問する。
「こちらのセットですが、本日はドリンクがサービスになっております」
「あ、それじゃ食後にアイスティお願いします」
「はい、かしこまりました」
龍之介は再度注文の確認を取り、オーダーを完了する。
それから漸くアルバイトが終り、龍之介は店頭の片付けをしていた。
こう見えて彼は店長からの信頼はあり、
売り上げの計算からお店の鍵の管理まで、
一通りの作業を任せてもらっている。
今日もそのノリで店長は先に店を出て、今では店内に居るのは
龍之介一人と言う情況だった。
前へ
|次へ
作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ
携帯小説の
(C)無銘文庫