《MUMEI》

『那加、大丈夫か‥?』





あの事があって以来、

不登校になりかかっていた那加。





俺は毎日、

朝と放課後に霞家に通っていた。




『帰ってよ』





那加は、

俺が部屋に行く度にそう言った。





でも俺は、

行くのを止めなかった。





止める訳にはいかなかった。





那加を、

放っておけなかった。





『那加、俺は──』

『何で来るのよ』

『ぇ』

『‥あたしの事なんかほっといたらいいじゃない』

『放ってなんかおけないよ』

『何でよ‥』

『当たり前だろ? 俺は那加の味方なんだから』

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