《MUMEI》

遊園地内を循環する、

移動列車の中。

「おーっ、結構眺めいいもんだなぁ!」

あたしの隣りで、

先生は歓声を上げてる。

「いやぁ、楽しいなぁ」

「何か、ほんとに子どもみたいだね──」

「ん? 祖母ちゃんにもよく言われるなぁ、そういえば」

「そうなんだ‥」

詠子さん公認済み‥。

「羨ましいなぁ‥」

「俺がか?」

「うん、何か子どものまんま──って感じで」

「あはっ、確かにそれもよく言われる」

「あたしさぁ、先生になったらちゃんと教えられるかなぁ‥」

「大丈夫だって、お前度胸あるしな」

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