《MUMEI》

「そうなんだ‥」

流石、

詠子さん──。

「それで、『頑張ろう』って思ったんだ」

「じゃあ、あたしも頑張らなきゃだね」

「?」

「先生に負けてらんないもん」

「俺に‥?」

「そっ。先生の事追い越しちゃうかもよ?」

「ははっ、それは楽しみだなぁ」

言いながら、

ポンポン、

と先生はあたしの頭を撫でた。

「追い越されないように、俺も頑張らなきゃだな」

「ね、もしかしたらあの学校で一緒に働けるかもだよねっ」

「そうだなぁ、そうなったらいいよな」

先生は、

ニッコリ笑った。

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