《MUMEI》 『ぇ』 『父さん達帰って来ないんだろ? 俺何か作ってやるからさ』 『───────』 『ぁ、やなら別に‥』 『──ううん、泊まってって』 『いいのか?』 『うん、日向いてくれると‥安心するから』 『じゃあ、材料何あるか見て来るな』 その日は、 俺が初めて那加の家に泊まった日だった。 初めて、 2人で夕ご飯を食べた日だった。 『‥辛い』 那加は文句を言いながらも、 俺の作ったカレーを残さず食べてくれた。 夜は、 ベッドで一緒に寝た。 那加は、 抱き枕代わりに俺にしがみついたまま‥ スースーと穏やかな寝息を立てていた。 前へ |次へ |
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