《MUMEI》

「美味しい米なら……」

農家の息子力、炸裂。


「そうだ、また食べたいな。言い忘れてたけどご飯のおかずの自家製梅、あれ美味しかったって伝えておいてね。」

確かに我が家の梅と漬け物は美味い。
俺も糠床を分けてもらうつもりでいる。



「……そういえば光に今まで言い忘れていたのだけれど、貴方には姉の他に一つ下の腹違いの兄弟が居るのよ。」

むーちゃん、そんなハンカチ持ち歩くの忘れていたみたいな軽さで衝撃的な事実を……!



「……俺よりいい男?」

一分くらいの間の後に光が真顔で聞く。


「そこがまず気になるのかよ!」

流石、我が弟。
良いツッコミだ。


「だって、同性だったら気になるじゃない。まあ、俺より素敵な子はそうはいないだろうけどね?」

自信満々に何を言うか。


「外見だけがな……」

ぽつりと幹祐が呟く。


「特に何があるって訳でもないし。向こうのお子さんに関しては私もよく解らないわ。だから……、お茶でも飲む?」




    「「「え?」」」

三人声を揃えてしまう。
何故、そこからお茶になるのか。
むーちゃん、天然だと思っていたけど不思議ちゃん……?

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