《MUMEI》 それからは、 時々霞家に泊まりに行くようになって── だんだん、 それが当たり前になっていった。 『日向ぁ、今日のお昼何?』 『卵があるから──‥炒飯でも作るかな』 『ぇ〜? やだ。オムライスがいい』 『分かった、じゃあオムライスな』 『うん♪』 那加は、 いつも── 俺が下拵えをするのを隣りでジッと見つめていた。 『日向、お料理上手だよね』 『ぇ?』 鍵っ子だった俺は、 簡単な料理位なら、 自分で何とか作っていた。 それが、 那加の役に立つなんて思ってなかったけど──。 前へ |次へ |
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