《MUMEI》
粛題
「やろうよ勉強。一応お金おばさんから貰ってるしその分は働きたいし」
和成はなづきに教科書を渡した。

「無理だって。受け付けないもん。鳥肌立つ。
勉強教えないでお金貰えるなんて最高じゃない。」
なづきの言い分。

「歩道橋でいちゃこら出来ても勉強は出来ませんか。」

     「!」

「あ、やっぱりそうなんだ分かりやすいねぇ」
弱み握ったと言わんばかりだ。
「おばさんには黙っておくから。
今日は時間ないし、次回までは宿題やってきて。」
和成の笑い方が人工的に切り替わる。

「何頁?」
なづきは教科書を手に取った。

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