《MUMEI》

「バカもん!!
どれだけパスの練習してきたと思ってんだ!!」


秀皇大附属のベンチから怒鳴り声がした。


その声に体育館にいるギャラリーが全員振り向く。
















「お〜お〜。
焦ってんな監督。」


「そりゃそうだろ。


うちの生徒のほとんどは高校からそのまま大学に来てんだ。


うちの強さは知ってる。


そんな奴らの前でこけにされてんだ。


そりゃ焦るだろ。」


「なるほどね〜。
俺たちみたいなのばっかじゃないんだな。」


「当たり前だろ。


まぁ大学から来る奴らもいるけどさ、


お前みたいに。


でも俺も高校からだし。


ほとんどは知ってる奴だろ。」


「ふ〜ん。


でも俺は断然黒田さん派だし。


あの監督には何の思い入れもないしね。」


「…そんな凄い選手だっけ?
俺全然記憶にないんだけど。」


「全く…
わかってね〜な…」


「?」


「あの人がいるから今の俺がいるってのにさ。」
















「ガンガン行こ〜!!」


雰囲気の悪い秀皇大附属とは対照的に、


盛り上がる赤高ベンチ。


「GO!!GO!!」


「ウォウォ!!」


「プチャヘンザ!!」


クロ、


ヤマト、


翔太、


恭介。


4人のテンションは異常だった。

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