《MUMEI》 「‥‥‥‥‥‥‥」 高い高い高い‥。 「も〜‥ダメ‥」 「心配するなって、後数分もすれば地面だからさ」 「その数分を待てる余裕はないです‥」 まさか、 落ちるなんて事はないと思うけど‥ でも‥ 怖い。 「──おっ」 「何‥!?」 「空、夕焼けだぞ──ほら」 「ぇ‥‥‥」 夕焼け‥? 「ぁ──ほんとだ」 綺麗‥。 差し込んで来る、 オレンジ色の光。 「ゎぁ‥」 「何かさ、いい事ありそうだよな」 「いい事‥?」 「俺はそんな気がする──」 夕焼けを見つめる先生の顔は、 いつもよりちょっとだけ大人びて見えた。 前へ |次へ |
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