《MUMEI》

『那加っ、那加!』





‥呼び掛けても、

返事がない。





ただ蹲ったまま‥

那加は苦しげな声を出していた。





すぐに救急車が呼ばれて‥

那加は病院に運ばれた。





でも、

病院に着くと痛みは治まっていたらしくて‥

暫くベッドに寝かされていた。





『ひなた‥あたし病気なの‥?』

『‥‥‥‥‥‥‥』





俺は、

何て答えたらいいのか分からなかった。





ただ、

手を握ってやるしかなかった。





『日向‥何か言ってよ‥』





那加は、

泣きそうな顔をしていた。

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