《MUMEI》 こうして妾の日常は 無駄に過ぎて行く… 『つまらぬ… 妾はいつまでこうして生き長らえるのか? 誰か答えてくれ…』 妾の存在意味を… そんなある日… その客はやって来た。 タン タタタン タタタタタタ タン… いつもの来店を 知らせる弔いの曲… 『妾に何を望む?』 今日の客は〜 顔は醜く歪み背も曲がり異様な容姿の男だった。 《シアワセ ニ シネル ドク》 小さな呟きだった。 『何?良く聞こえぬ もう一度問う! 妾に何を望む?』 《幸せに死ねる毒 が欲しい》 はっきりと大きな声で答えた。 妾は…暫し考えた。 幸せ〜妾はこの客に とって何が幸せか? 知らぬ… どの毒がこの客を幸 せにするのだろう? 解らぬ… 難しい客だ… 『済まぬ…妾には毒 を選べぬ。』 妾は客に正直に告げた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |