《MUMEI》

こうして妾の日常は
無駄に過ぎて行く…


『つまらぬ…

妾はいつまでこうして生き長らえるのか?

誰か答えてくれ…』


妾の存在意味を…


そんなある日…


その客はやって来た。


タン タタタン タタタタタタ タン…

いつもの来店を
知らせる弔いの曲…


『妾に何を望む?』


今日の客は〜


顔は醜く歪み背も曲がり異様な容姿の男だった。


《シアワセ ニ シネル ドク》


小さな呟きだった。


『何?良く聞こえぬ
もう一度問う!

妾に何を望む?』


《幸せに死ねる毒
が欲しい》


はっきりと大きな声で答えた。


妾は…暫し考えた。


幸せ〜妾はこの客に
とって何が幸せか?
知らぬ…


どの毒がこの客を幸
せにするのだろう?


解らぬ…
難しい客だ…


『済まぬ…妾には毒
を選べぬ。』

妾は客に正直に告げた。

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