《MUMEI》

あんな事もあったなぁ、

と色んな事を思い出していたら。





もぞもぞっ、

とベッドの方で気配がした。





「‥ん、起きたか?」





那加が、

お目覚めみたいだ。





「ひなた‥のどかわいた‥」





寝ぼけたまま、

寝癖のついた頭を起こして、

のそり、

と起き上がる。





「日向、ジュース」

「ぁ‥分かった‥っ」





何ジュースがいいか訊くのを忘れた、

と気付いたのは‥

自販機の前に付いてサイフを出した時だった。





那加──

何飲みたいんだろう‥?

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