《MUMEI》
耕作の見た夢
それから数週間…


耕作は夢を見ていた。


青鬼と美しい人が笑っている…


『安曇…』

青鬼は微笑み〜
その人の名を呼んだ。

『優鬼(ゆうき)』

安曇は青鬼を
そう呼んだ。

『??』
不思議そうに安曇を見る青鬼に安曇が言う。

『お前は優しい鬼じゃから《優鬼》じゃ!

私が名付けた、嫌か?』


青鬼は小さく首を振り安曇をそっと抱き締めた。

『安曇…ずっとワシの傍にいろ!』


『優鬼…』


幸せそうに微笑む二人…


途端に…風景が変わる。


『では、行って来る』

何処かへ旅立つ優鬼。

見送る安曇の目に涙が光る。

『安曇〜直ぐ戻るから…』

不安気な安曇。


村人が安曇を取り囲み…鬼憑きと罵り木に縛り火を放った。


安曇は…焼け死んでしまった。

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