《MUMEI》
夢の中で…
『安曇?…何処に居
る?安曇ーーっ!』


優鬼は血相を変えて
探し回る…


村外れの焼け落ちた
木の根元を掘り起こ
す優鬼。


見るも無惨に焼け
爛れた安曇の亡骸…


『ウアアァァーーッ!!!』

狂ったように泣き叫ぶ優鬼!!


ユラリ…
やがて〜顔を上げた優鬼は村中に青い焔を放った。


全ての村人は青い氷の塊となった。


だだ1人を除いて…
村長と名乗り皆を先導した邪鬼だけは逃げたのだ…


村中を氷の世界に
した優鬼は…

再び安曇の亡骸を
抱き泣き叫ぶ…


どれ程の時が
流れたか…

どれ程の涙が
流れたか…


安曇の亡骸は…

風に浚われ…
雨に打たれ…
土に返り……

優鬼の腕の中から
溢れ落ちてしまった


優鬼は立ち上がり
安曇と暮らした山へ
向かう…


耕作は…夢の中で
寂しげな優鬼の背中
を見ていた。


涙が溢れて
止まらなかった。


胸が苦しくて…
胸が痛くて……


そして…


耕作は長い夢から
目覚めた…

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