《MUMEI》

ヴァンの突っ込みが届いたのか視線に気付いたのか、ディンが突然言い訳を始めた。依頼の話は一体何処へ行ってしまったのか……それは、神のみぞ知る。

「い、いや、別にキュンときた訳じゃないぞ? いや、きたけども! そ、そういう意味じゃあなくてだな、ほら、わ、分かるだろ? こんなカワイイ子があんな顔したらよぅ……」

「ディン。」

「カワイイ」と言われて喜んでいるルキアを無視し、ヴァンはディンの話を切った。

「良い事を教えてやる。否定したいことがあるなら、強く否定しては逆に怪しまれる。余裕を持って否定しろ。」

言ってからヴァンは顔を顰める。

……何故俺は助言など……

疲れのせいだ、と己に納得させた。

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