《MUMEI》 場には「鳳凰」を含む3枚の「桐」の札が、初めから晒されていた。 この場合、残り1枚の札を合わせた者が総取りとなる。 だが兼松の手札には「桐」の合い札は無い…。 (まあよいさ…) 兼松は含み笑いを洩らしながら「松に鶴」を「松の字札」に叩きつける。 すると、返しの札は「柳に小野道風」だった。 その札は、そのまま場に据えられた。 だが、兼松の手には残り1枚の「柳」の合い札があり、「小野道風」は手中に有るも同然だった。 『こい!』 兼松は十中八九決まった勝ちを更に磐石なものにする為、「三光」を流して更なる高目を狙った。 前へ |次へ |
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