《MUMEI》 ひまわりの脱走「わぁ、食べた食べたっ」 ひまわりが向日葵の種を食べるのを見て、 那加は嬉しそうにしている。 カリカリと、 軽快な音が病室に響く。 「あたしもこんなの食べれるようになるかな──」 「ぇ」 「ジュースとか離乳食みたいなのばっかりじゃなくて、みんなが普通に食べてるお料理‥食べれるようになるかな‥」 那加は、 種をひまわりの口元に近付けてやりながら、 溜め息をついた。 「日向のオムライス食べたいな──‥」 その言葉が、 チクッ‥ と心に刺さった。 前へ |次へ |
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