《MUMEI》 愛は会社を救う(60)そして諭すように、こう付け加えた。 「人から喜ばれたり、褒められたりすることに、躊躇してはいけません。職場で人を動かしているのは、詰まる所、ただそれだけなんですから」 その言葉を聴いた由香里に、ようやく少女のような笑顔が戻る。 やはりまだ、あどけない。 「今日は、赤居さんにおごろうと思って誘ったんです。まあ、だから…こんな居酒屋なんですけど」 私には、彼女の中に育ち始めた、その心意気が嬉しかった。 「それでは、遠慮なく」 グラスを軽くかざして見せると、由香里が機嫌良さそうにまた、ピーチフィズのおかわりを頼んだ。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |