《MUMEI》

「あたしはよく分かんないけど──」

「呼んでもいいぞ? お父さんって」

「ぃゃ、お兄ちゃんなら分かるけど‥」

「変かなぁ、お父さんは」

「だって‥仮にあたしが先生の娘だったとしたら、先生が9歳の時にあたしが生まれた事になるじゃん。そんなのありえないし‥」

「ぁ──‥そうだよなぁ」

「でしょ?」

「じゃあ、兄ってとこか──」

「うーん‥、やっぱ恋人で良くない?」

「──そうだな、それに、お前は次期花嫁だしな」

「‥ハナヨメ‥?」

ハナヨメ‥

はなよめ‥

花‥

嫁‥?

「ぇえッ‥」

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