《MUMEI》

「那加は悪くないって──」

「悪いもんっ」

「悪くない」

「悪いもん‥」

「だから──」

「あたしが悪いんだもん‥‥‥あたしが‥、!?」





那加は、

一瞬何が起きたのか分からないみたいだった。





「ちょっと‥な‥何するのよ日向っ」





自分が抱き締められてる事に、

やっと気付いた那加。





ジタバタ暴れながら、

ひたすら放せ≠ニ言って来る。





「放さないと噛み付くからっ」





その台詞に、

吹き出さずにはいられなかった。





「何笑ってるのよっ、日向のばかーッ」

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