《MUMEI》

「立派なウエディングドレス着せてやるからな」

「ドレス‥?」

「その時になったら──見に行こうな、一緒に」

「‥うん‥」

何かハズい‥。

なんてあたしが思ってるなんて全然気付かないみたいで、

今度は教会の話を始めた先生。

「逸り過ぎだって、先生」

「でも、案外時間って──あっという間に過ぎていくもんだぞ?」

「──そうかもだけどさ、まだあたし卒業すらしてないし‥」

「ぁ‥そうだそうだ、卒業式も楽しみだよな──」

「先生、何でも楽しみなんだね‥」

「楽しまなきゃ損だしな」

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