《MUMEI》

何とか、

誰かが来るより前に学校から抜け出せた。

「ふぅ‥」

てか‥

親に何て言い訳しよう‥。

「どうした?」

「ううん──、ありがとね」

「ぇ」

「結構楽しかったかも」

「おっ、本当か?」

「うん」

「そりゃ良かった」

満足げな、

先生。

「送るな、家まで」

「ぃゃ、ぃ‥いいよ、夜道歩く訳じゃないんだし──」

「朝の散歩もいいもんだぞ? 結構」

「散歩‥?」

「よしっ、行くか」

「ぇ、ちょっと待ってよ先生っ」

何か先行っちゃったし‥。

「せーんせーっ!」

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