《MUMEI》

先生は、

ほんとに奢ってくれた。

「ん〜、冷た〜っ」

「どうせだからさ、公園でも寄ってくか?」

「ぇ、公園‥?」

「ゆっくりアイス食べてから帰ってもいいんじゃないかと思ってさ」

「ゆっくり‥」

していいのかな──‥。

「丁度ベンチもあるしさ、あそこ木陰になってるし」

「ぇ、ちょっ‥とセンセ‥!?」

選択の余地なしですか‥。

まぁ、ちょっとだけならいいか──‥。

誰かいる訳じゃないみたいだし‥。

「──ふぅ」

結構、

木陰って涼しいかも。

「‥ぁ」

蝉鳴いてるみたい‥。

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