《MUMEI》

「…切ねえな、
お前も」


「慰めろよ、
透…」



マジ、
何なんだよ、
萌の奴…。

何で俺が
イライラしなくちゃ
いけないわけ?

あいつ、
俺に興味ないわけ?

確かに
コクったのは
俺さ。

OKもらって
かなり
はしゃいださ。



「優也…
ああいうのは
お前が
どうにか…」


「出来ねえから
ずーっと
困ってんだろ!!」



…ああ、最悪だ…。


透にまで
あたっちまって。


俺、どんだけ
イライラしてんだよ…。



「…少し…
頭冷やしとけ」



冷たい声で
そう言って
透は屋上から
出て行った。



涙さえも
流れてこなかった。





……こんなん…



俺らしくないだろ…。








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