《MUMEI》

「……あたしからは


逃げらんないよ?」



背中が
ゾクッとした。


…やべえ…。


ろくでもない奴と
知り合っちまった…。



「優也くん、
だあいすきっ♪
あたし、
手に入れる為なら
手段選ばないから!」



高い声で
そう言って、
莉愛は
俺の前に立った。



「萌ちゃんなんかより…
あたしのが
いい女なんだから」



いきなり抱きつかれ、
俺は持っていたケータイを
地面に落とした。



「…絶対、
あたしのモノに
してやるから」



ゆっくりと
近づいてくる、
莉愛の顔。


気づいた時には
唇が重なってて。





この時、



萌から電話が
きていたなんて…




全く、
気づかなかった…。









.

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