《MUMEI》

「やっぱりいいなぁ、花火は──」

「でも暑いね‥」

「何か買って来てやろうか?」

「ううん、別にいいけど‥」

「何がいいとかあるか?」

「ぇ、だからいらな‥」

「遠慮するなって」

「し‥してないから」

「───────」

「ゎ‥分かったお願いします、じゃあ」

「何でもいいのか?」

「うん、何でも‥」

「祖母ちゃんは烏龍茶で良かったっけ」

「ぁぁ──、すまないねぇ」

「いいっていいって」

先生は、

意気揚々と駆けて行く。

「元気だなぁ、シロ──」

「千代子ちゃんのお陰だねぇ」

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