《MUMEI》

クリスマスの日に
美樹を連れ、姉を訪ねた
 
俺がいきなり顔を出しても、姉、貴子は会ってはくれないだろう…
 
幼少の頃から、貴子には嫌われていたからな…
 
まぁ、愛人(妾)の子と、仲良くは出来ないだろう…
特に、女はそうだろうな… 
叔母の家に美樹を行かせ、貴子に用件を伝えさせた… 
はたして貴子は、俺と会うだろうか…
 
意外にも、部屋に通された…
美樹を車で待たせ、俺は、叔母の家に
 
叔母、義理母、貴子、が揃って俺を出迎えた
が、目は殺気だっていた… 
叔母がお茶を出した
 
雅治「お構い無く、…」  
義理母「雅治、用件はなんだい!」
 
雅治「貴子に用が有って来た、貴女に用はない」
 
義理母「口の利き方に…」 
言葉をかぶせるように

雅治「早速、用件に入らせてもらおう」

貴子を見た
 
貴子「うかがいましょう…」
 
雅治「今度の株主総会のときに、貴子が保有する分の、株、全てに委任状を頂きたい」
 
義理母「ふん、株は売らないわよ」
 
雅治「報酬は、それに見合った地位だ」
 
義理母「売らないと言ってるのよ!帰りなさい!雅治!」
 
雅治「俺は、貴子と話をしている、… 一線を退いた貴女に用は無い!」
 
義理母「な、なんて、口の利き方…」
「貴子、騙されちゃダメよ、…雅治、帰りなさい!」 
雅治「貴女とは、全くの他人だ…が、貴子とは半分血が繋がってる…」
「貴女がどうなろうと知った事じゃない…」
「口を挾まないでもらおうか…」
 
貴子「…勝算は?…」
 
雅治「…今の所…6・4で、負けかな…」
 
義理母「負け戦に乗れだなんて、そうは、問屋が卸さないわよ!」
 
雅治「負け戦を貴子に仕掛けさせた張本人が何を言う!」
 
義理母「な、なんですって!私が、貴子に…」

雅治「黙れ!!」

雅治「貴女が思ったように、知人は動いてくれたか?」
「銀行は?…」
「結局、何も出来なかったろう…」
「貴女に力はないんだよ…」
「俺は、ビジネスの話をしに来ているんだ」
「貴女に呼び捨てにされる覚えはない!」
 
「力、なきものは、おとなしく、隠居してなさい」
 
義理母「おだまり!何をえらそうに!!」
「佳祐の回し者でしょうが!」

やはり、そう見るか、まぁ思ってた通りだな
 
義理母「出てけ!!」
「帰れ!!、二度と来るな!!」

発狂すんぜんの義理母
 
叔母「帰って頂けますか?…」
 
雅治「わかりました、では、失礼します」
 
義理母「二度と来んな!!」

雅治「こんな田舎に何度も来る程、暇じゃないんでね」
 
捨て台詞を残し、俺は立ち去った
 

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