《MUMEI》
決戦間近
叔母の家からの帰り道
兄、佳祐から電話が来た
 
クリスマスパーティー?
 
なんだ、変な誘いだな…
 
美樹の地元に寄り、美樹に小遣いを渡した
 
雅治「家族や、友人と、たまにはのんびり遊んで来いよ」
 
美樹は、喜んで、車を降りて行った
 
 
さて、佳祐の所に行ってみるかな… 
 
 
確かにパーティーだったよ……
 
クリスマスとは関係ないな…
 
一応、喪中になる、佳祐… 
各関係者に、婚約者を御披露目して、自分の力が増すのを誇示したかったようだ……
 
…何の為だ…
 
釈然としないまま、パーティーは終わった
 
佳祐に誘われ、佳祐の馴染みの店へ…
 
こっちが、本題かな?…
 
グラスを合わせ、一言二言、世間話をした後、
佳祐が切り出した
 
佳祐「貴子の所に行ったそうだな」
 
今日の午前中の出来事を知ってる…
なるほどね…
それでか…
 
雅治「あぁ、行ってきた、株は売らないそうだ…」
「まだ、未練あるのかねぇ…」
 
佳祐「株を手に入れてどうする?」
 
雅治「俺は、長谷川の連中を信用してない……」
 
佳祐「なるほどね…」
 
雅治「まぁ、兄貴は馬鹿じゃないから…余計なお世話になるんだろうけど…」
「念のためな……」
 
佳祐「年明け、年度末の株主総会で、新株発行を可決する、…お前の心配は無用だ」
 
雅治「そうか……」
 
佳祐「俺は、お前も疑ってる…」
 
雅治「俺を?…」
 
佳祐「そうだ…」
 
雅治「…そうか…」
 
俺は、グラスの酒を飲み干した
 
佳祐「信用されたければ、お前が持ってる株を、差し出せ」
 
雅治「…疑って結構だ」
 
佳祐「…お前も、謀反を起こす気か?」
 
雅治「長谷川の言いなりになるつもりはない」
 
佳祐「俺をみくびるなよ」 
雅治「みくびるよ、…長谷川あたりの口車に乗るようじゃな…」
 
佳祐「残念だよ…雅治…」 
雅治「…残念だ…敵にはなりたくなかったんだかな…」
 
佳祐「…まぁ、いい、…後悔するなよ…」
 
雅治「…お互いにね…」
 
俺は店を出た
 
…決戦かな…
 
 
車を、若い者に取りに行かせ、俺はタクシーでオフィスに行った
 
………
 
オフィスが荒らされてた… 
警報も鳴らず…
 
物取りにしちゃ、手際が良すぎる…
 
警察と、警備会社に連絡をする
 
 
……
 
甘かったな…もう、決戦は、始まってたんだ…
 
なるほどね、俺を呼び出し、その隙に…か…
 
ならば、こちらも、遠慮はいらないな!

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