《MUMEI》

でも、

だとしたら那加が俺を‥。

「?」

「〜〜〜〜〜〜っ」

「ぇ」

「いつまで人の膝に頭乗せてるのよ痴漢男ーッ!」

「!!」





バチーン、

とほっぺたに派手な男がした。





「ひ‥姫サマ‥」





かなり痛いんですが‥。





それよりも‥

俺‥

断じて痴漢はしてないぞ‥?





「‥あれ‥?」





那加、

どこ行った‥?





「こっちよ、こっち」

「?」





振り返る。





「‥ぁ」





いた。





‥木の枝に。

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