《MUMEI》

夜空いっぱいに咲いた、

花火。

──すっごく綺麗。

でもたぶん、

あたし独りでここに来てたなら──

こんなに綺麗だなんて思わなかったと思う。

先生や詠子さん達がいるから、

だから、

こんなに綺麗なんだ。

「‥?」

何か、

手に重みが‥。

「ってシロ!?」

「ぇ、手繋いだだけなんだけどなぁ」

「急にされたらビックリするから‥っ」

「悪い悪い、つい何か──」

「つい、って‥」

ほんとに先生って周りの目とか気にしない感じだよな‥。

でも、

だからいいのかも知んないけど──。

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