《MUMEI》

「──おーい、着いたぞー?」

「‥?」

「家、着いたぞ?」

「家‥? ‥!!」

あたし寝てた‥!?

「ヤバい‥」

「自分で歩けるか? それとも中まで連れてくか?」

「だッ‥大丈夫ですここで降りますっ」

中なんか連れてかれたら‥

親が卒倒しそうだし‥。

「ぁ‥、ありがとうございました、送ってくれて‥」

「いいっていいって。それじゃ──またな」

「ぅ‥うん。──詠子さん達もありがとうございました」

「こちらこそ、お陰でとっても楽しかったです」

「じゃあ──またね、千代子ちゃん」

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