《MUMEI》

よく小さい頃怪我をした。
父が担いで泣きじゃくる俺を家まで運んだ。

確か、友達と遊んでいた。


父が死んでからはアヅサと家族以外の人間とはまともに話せなかった筈だ。

井上美穂に俺が会ったという期間は記憶が定まらない父が亡くなる以前のことになる。



気のせいか、聞いたことのある声だった。

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫