《MUMEI》

スープをスプーンで掬いながら、

那加はジッと考え込んでいる。




そしてふと、

不安げに佳代子さんを見る。





「ねぇ、あたしずっと普通のご飯食べられない訳じゃないよね‥?」

「ええ、胃が順調に動いてくれるようになってきたら、ちょっとづつ固形食も食べられるようになるはずよ」

「ほんとっ?」

「ほんとほんと」

「───────」





佳代子さんの返事に、

那加は安心したらしかった。





黙々と、

食事を再開する。





「日向君は──まだよね、お昼」

「ぁ‥、はい、でも今から那加のプリン買いに売店行くんで」

那加が昼ご飯を食べ終わるまでには、

買って来ておかないと‥。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫