《MUMEI》
思わぬ悪影響
(さて、また入口行くか)


俺は出口に出ずに、教室内の裏道を使って入口に戻ろうとした。


案内役は、皆こうして戻るのだ。


そして、一緒に入った案内役が出てこないというのは、他の客の恐怖心を煽る。

しかし、そんな俺を


「田中君お願い出てきて!」


希先輩の悲痛な叫びが止めた。


(…出てっていいのか? 俺?)


「出てきて!」


迷っていると今度は志貴の声がした。


志貴は、今受け付けをしていた。


「…どうした?」


俺は、暗い教室から明るい廊下に出た。


そこには


「…」


無言で震える柊と、困り果てた希先輩


それに、不機嫌な志貴がいた。


「どうした?」

「柊が、怖がり過ぎて、客が逃げた」

「は? 何で?」

「キングがこんなに怖がるなんてって…そんなに怖いのは嫌だって」

「ごめんね、田中君。柊が安心できるように、さっきの説明してあげて?」

「小声でよろしく」

「はぁ」


そして、俺は


俺が食べたのが、骨型クッキーである事を説明した。


ちなみにそれは市販の物だったから、裏からパッケージを持ってきて見せた。

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