《MUMEI》

「ひなた‥?」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「っ‥何で日向まで泣いてるのよ‥」

「‥ごめんな」

「べ、別にあたしは怒ってないもん、ただ‥」

「‥ただ‥?」

「独りにしないで欲しいだけだもん‥」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「もう今日は部屋から出ちゃダメだからね‥?」

「ぇ」

「ん〜〜〜っ、ほ〜らっ、は・や・く・来・て・よっ」





那加は、

グイグイと俺の腕を引っ張る。





「ん〜〜〜っ!!」

「ゎ、分かった‥分かったから引っ張らないでくれって‥」

「じゃあ早く来て」

「──ハイ、姫サマ」





那加をお姫様抱っこして、

エレベーターに向かった。

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