《MUMEI》

「だからいらないってば‥」

「まぁ、お詫びにさ」

「ぇ?」

「ほら、ビックリさせたみたいだったから──」

「別に──もう気にしてないし」

「本当‥か?」

「うん。でも、どうせ押し倒すんなら──」

「ぇ?」

「ぁ‥やっぱりいいや‥」

てか、あたし何考えてんだろ‥。

何かおかしくなってきたかも‥。

先生のペースにハメられてる‥?

‥まさかね‥。

「ん、もう帰るのか?」

「うん‥、前遅く帰ったし──」

あんまり何回も出かけてると、

怪しまれるかもだし‥。

「ありがとね、今度は‥始業式──だっけ」

「ぁぁ、じゃあまた教室でな」

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