《MUMEI》

「裕斗の一時の感情で二人がこれから付き合ったとしてもな、




今はよくてもな…、加藤君の事もっともっと傷つける事になるからな…、



本当は裕斗の心が自分に目が向いてない現実と、相手が自分の為に惚れた奴を切り離した現実に……、今の加藤君じゃとても耐え切れねーだろ……。

…あとな、潮崎君の事に対してだって罪悪感でとことん潰されちまうだろうな、


自分自身の存在さえ疎ましく思って何かが起こったら……、
加藤君だけじゃねえ、裕斗だってただじゃ済まなくなる……」


「………うん」



「本当にな、裕斗が加藤君に惚れてんなら俺は黙って身い引くけどな、………



でも残念ながらおまえは俺でいっぱいいっぱいだからな、
本当、こんなにメロメロに惚れられて俺は死ぬ程幸せモンだぜ、俺も裕斗が可愛いくって可愛いくってもうどうしようもねえ、食っても食っても食いあきねえ」





「……、秀幸」







じっと見つめたら優しく微笑まれ、肩を緩く抱かれた。





そのまま体重を預けると二の腕を撫でられだした。





「俺は馬鹿だ…」






「ああ、裕斗程の馬鹿はなかなかいねーな、びっくりだ、全くよー、一人で考えやがって…、おまえの後ろには常に俺がいるのを忘れんなっつーんだ、……


クソッタレ、クソガキ……、ちくしょう、おまえの事離すもんか、俺に惚れてるおまえ離す馬鹿がどこに居るっつーんだよクソッタレが〜…」

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