《MUMEI》

夕陽が差し込む、

静かな病室。





「──ひなた」

「?」

「‥ごめん」

「ぇ‥?」

「あたし──日向があたしの為にしてくれてるっていうのは分かってたの。だけど、日向にはあたしに合わせて欲しくない」

「‥ほんとにそれでいいのか‥?」

「‥あたしだって、ケーキとか‥ドーナツとかお腹いっぱい食べたいし‥、サンドイッチとか、ハンバーガーとか、食べたい物沢山あるよ」

「‥じゃあ、何で」

「日向が食べてると、あたしも食べた気分になるから」

「気分‥?」

「だから、ガマンしちゃダメ」

「───────」





そんな事を、

那加が言うなんて思わなかった。





驚かずには、

いられなかった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫