《MUMEI》

「ほんとか?」

「ほんとだもん‥」





那加は、

壁の方を向いて、

ボソッと言った。





「‥でも‥嫌でもないかも」





──それが那加の本音だろう。





「‥日向はまだ寝ないの?」

「那加が寝たら俺も寝る」

「──ねぇ」





那加は、

壁際に体をずらして‥





「‥ここ、来て」





俺に、

自分の隣りに来るように言った。





「日向、聞いてる‥?」

「‥ぁぁ、けど‥」





そんな事‥

小学生の頃以来だな‥。





今となると‥

流石にちょっと抵抗がある‥。

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