《MUMEI》 昼時になって、 俺は那加を連れて病室に戻ってきた。 そしたら丁度、 佳代子さんが昼ご飯を持って来てくれた。 「あら、何だか那加ちゃん嬉しそうね──。何かいい事あった?」 「‥べ、別に、何も‥」 那加の顔が赤くなってるから、 佳代子さんはすぐに理由が分かったみたいだ。 「良かったわね〜那加ちゃん」 「違うってば、そんなんじゃないのっ」 那加は、 必死だ。 「‥あれ、これ‥ポテトサラダ?」 急に、 那加はトレイの方に目を向けた。 今日のお昼は、 柔らかめのオムレツと、 ワカメスープと、 ポテトサラダ。 比較的、 那加の好きなメニューだ。 前へ |次へ |
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